笑福亭仁鶴師匠の歌に『大発見やァ!』という名曲がありましたが、私も思わずそう叫んでしまったほどの発見があったのでご報告いたします。
で、皆さんに質問です「南禅寺は、なぜ南禅寺と言うのでしょうか?」。
いやいや、「知るか!」なんておっしゃらずに考えて下さい。私は長年、首をひねってきたんですから。だって京都五山の中で、南禅寺はたいして南ではないんですもん。天龍寺や相国寺よりは南東に位置するけれど、建仁寺よりは北だし、南の禅寺と呼ぶなら、南都奈良へ下るとば口にある東福寺や万寿寺の方がふさわしいはず。ねっ難問でしょう?
でも、ようやく解決したんです。
南禅寺の北には永観堂というお寺があります。紅葉の名所かつ見返り阿弥陀仏で有名です。ただし永観堂というのは通称で、正式名称は禅林寺なんです。そしてその昔、禅林寺の寺領は広大で、いまの南禅寺の境内地まで含まれていたと言われます。
やがてそこに南禅寺が建立されると、禅林寺を(北)禅林寺、南禅寺を南禅林寺と呼ぶようになり、それが縮まって南禅寺となったのだとか。
いやぁ長年の疑問が解決するって、刺さっていた小骨がとれたようでほんとに気持ちが良いなあ。というわけで、さっそく知り合いに話してみたのですが、さほど興味も示さず感心もしないどころか、こう返して来たのです。「じゃあ東寺はなんで東寺なの? 全然、東じゃないのに」と。ぐっ……。
また喉に小骨が刺さった気がします。