安養院は三方を竹林に囲まれています。さらさらと竹の葉をゆらしながら吹き抜ける風ほど清々しいものはない。
などと風流にひたってばかりもいられません。この孟宗竹、切っても切っても生えてくる。本当に苦労しているのです。特に斜面地は厄介です。
もし、みなさんのお住まいの周りに放置竹林があったら地域で話し合ってすぐに伐採管理して下さい。竹は一度、管理を怠ると手がつけられなくなります。
どこを見ても入りこんでいない山はないというくらいはびこっている孟宗竹ですが、意外と歴史が浅いことに驚きます。
江戸中後期の風俗を記した『塵塚談』には「孟宗竹。近頃は江戸に大なる竹藪、諸所に出来たり。明和のころは、皆ひと珍しく思いし竹にてありしなり」とあります。つまりここ二百年ほどで全国を席巻した、恐ろしいまでの繁殖力を持つ植物なのです。
このままでは日本中が孟宗竹に占領されてしまいます。なんとかしなければ。