仏事の疑問➃

2020年12月21日

質問「数え年って“満年齢に、お母さんのお腹の中にいた一年を足したもの”だって聞きました。本当ですか?」

回答「明らかな間違いです!」

理由「日本に満年齢が入ってきたのは明治時代、欧米で用いていた太陽暦と共にです。
ということは、千年以上前から使ってきた数え年の中に、明治になって入って来た満年齢の概念が入っているなんておかしいですよね? 満年齢に一歳を足すだなんて。
満年齢は誕生日ごとに歳を取りますが、日本で使っていた太陰太陽暦ではその誕生日というやつが厄介な存在だったのです。
太陰太陽暦は約三年に一度は閏月がありますし、何月が大の月(30日)で小の月(29日)なのかも毎年ランダムに変わりました。だから月末に生まれた人などは、いったい何年後に誕生日が来るのやら、それすらおぼつかなかった。そんなわけであまり誕生日を意識することがなく、新年を迎える際みんな一緒に歳を取るというイメージでした。そういう暦の制約と、モノは一からかぞえ始めるという慣習から(リンゴがゼロ個あるとは言わない。それは無いと言う。だから生まれているのにゼロ歳なんて道理に合わないという考え)必然的に数え年になったというわけです。
数え年とは、その人が過ごした年を全部数えます。令和元年12月31日の生まれなら、過ごしたのがたとえ一日だとしても令和元年からカウントします。
あぁそうでした、亡くなった方の数え年ですが、満年齢と比較した場合“亡くなった年に誕生日が過ぎている方は満年齢+一年(満年齢ではゼロ歳としてかぞえない生まれた年を加える)”となり“亡くなった年に誕生日が来ていない方は満年齢+二年(生まれた年と、満年齢では誕生日が来ていないということで切り捨ててしまう亡くなった年を加える)”となります」